
月に2回のプレコースレッスン。
園児さんたちはそれぞれの歩幅で音楽と向き合っています。
ピアノの鍵盤を前にしたときの表情、音を出したときの反応、
そして音に耳を傾ける姿勢。
生まれてまだ数年しか経っていないのに、
もうすでにそれぞれの
世界の見方や感じ方を持っているんだなぁと、いつも感じます。
この先、園生活や学校生活、そしていろんな習い事を通して、
子どもたちは少しずつ社会を知り、自分という形を作っていくのでしょう。
でも、その「向き合い方の本質」・・
その子の中にあるまっすぐな個性は、誰にも踏みにじられないようにと思います。
レッスン室に入ると、
「ピアノ!」と元気にすぐあいさつしてくれる生徒さん。
するとピアノも「ポロンポロン♪」「トントン♪」と、楽しい音でお返事をくれます。
その瞬間を逃さず、講師の私も即興で小さなメロディを返します。
そこから自然に始まるリズム遊び、歌を交えた音感づくり、フレーズ作り…。
ほんの数分の中に、“音と心のキャッチボール”がたくさん詰まっています。
ピアノって、ママやパパ自身も子どものころに習っていたことが多い習い事ですよね。
そのときの「練習しなきゃ」「間違えちゃダメ」という思いが、
どこか心の奥で“トラウマ”のように残っている方もいるかもしれません。
でも、本来ピアノって、もっと自由で、もっと人間らしいもの。
子どもたちがピアノに向かうときのように、
「音と仲良くなる」感覚から始めてみませんか?
音を出すこと、聴くこと、響きを感じること、それはすべて対話です。
その対話の中で、子どもの感性も、そして親の心も、
ふっと柔らかくほぐれていくように感じます。
子どもが音を通して育っていく時間は、
親にとっても「もう一度ピアノと出会い直す時間」なのかもしれません。
今日も、小さな音と小さな手のひらが、
ピアノと心を通わせながら、未来へと音を紡いでいきます。