忘れ物も成長のチャンス。ピアノレッスンで大切にしていること

2026年07月09日 07:41
カテゴリ: レッスン日記

「全部忘れちゃって……。」
送迎に来てくださったお父さまは
少し申し訳なさそうな表情で
そうお話しくださいました。
 
きっと、
「一度家に戻ろうか。」
「でも遅刻させたくない。」
そんなふうに、ご家族みんなで
気を揉みながら教室へ
向かってくださったのだろうと思います。
 
そして、生徒さん自身も同じです。
教室へ入ってきた表情から、
「ああ、困っているんだな。」
という気持ちが伝わってきました。
 
だから私は、笑顔で一言。
「大丈夫。今日はあるものでレッスンしようね。」
 
実は、ピアノレッスンはテキストが
なくても学べることがたくさんあります。
むしろ、普段はテキストに沿って
進めているからこそ
この日は少し視点を変えて
その子に今必要な力を育てる時間にしました。
 
ドレミファソラシドの音の並び。
楽譜はどうやってできているのか。
音が上がるってどういうこと?
 
年長さんでも楽しく体験できる
音楽遊びをたくさん取り入れながら
自然と音楽の基礎を身につけていきます。
 
もちろん、ピアノにも
たくさん触れました。
 
曲を練習するだけが
ピアノではありません。
音を聴いて真似をしたり
リズムを感じたり
指をたくさん動かしたり。
 
遊んでいるように見えて
実はソルフェージュで学ぶ内容を
ピアノへつなげる大切な音楽体験です。
 
「テキストがないから
今日は何もできない。」
そんな日はありません。
 
その子に合わせて
その日にしかできないレッスンがあります。
 
もちろん、忘れ物は
しないに越したことはありません。
でも、忘れたくて忘れる人はいません。
 
大切なのは、失敗をしたあとです。
 
「失敗したから終わり。」
ではなく、
「失敗したけれど、こんなことも学べたね。」
 
そんな経験を積み重ねてほしいと思っています。
 
子どもたちは
これから何度も失敗を経験します。
学校でも、習い事でも、大人になってからも。
 
そのたびに立ち止まるのではなく、
「じゃあ、どうしよう。」
と考え、一歩前へ進める力を育ててあげたい。
 
私は、ピアノを教えるだけではなく
音楽を通してそんな心も
育てていきたいと思っています。
 
一回の忘れ物が
子どもにとって「失敗した日」ではなく
「新しいことを発見できた日」になる。
 
そんなレッスンを
これからも大切に続けていきます。

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